最‘新’絶叫計画〜社会的OKなシモネタ悪フザケのボーダーは?

嘘かマコトかヒットしたそうだ。
なんかいろいろ、ウワサあるんですけど。障害者ネタはカットされたとか。でもって、はっきり、黒人差別してんじゃん、とかね。その差別の仕方が「友達のはずが、本心は差別してたけど、友達のフリして偽善だった」みたいなロコツさで。あ、ヤバと思ったわけ。しかも、差別される役を演じる、黒人のお二人が共同脚本。ウェイアンズ兄弟。

【三つのタブーとして、設定する】
●シモネタ(もちろん、そのまま)
●悪フザケネタ(社会的に問題あるやつ)
●ハッパネタ(ラリルってやつ、それをなんとなく擁護してる)

そういうのに対して、反応するじゃん、社会って。それは、社会を構成する個人の何人かが、反応してるってわけでしょ。「過激」とかいう言葉でさ。でもって、ホンマに抹殺されたり、総スカンくらったり、上映されなかったりするのだと思うの。でもって、この作品は、上映された。でもって、ヒットした。だからこそ、思うのね、現代社会のタブーをギリギリなのか、余裕なのかわかんないけど、この作品が一つの物差しになる。

舞台は「ヘルハウス」。扉をコンコンと叩くためには、「オチンチン(←巨大)」の塊を掴まなきゃならない。当然のごとく、「ヘルハウス」はむせぶ、もちろん、男性。握ったのは、ヒロイン、シンディ、女子大生。

あ、言い忘れました、このシリーズ、基本的には、映画のパロディね。
だから、「ヘルハウス」にて、「エクソシスト」して、「ホーンディング」な展開する。
けど、映画のパロディを映画ファン的に愉しむなんてことは、出来ないのだ。大体、悪魔につかれた少女のメイクは、ちゃあんと、首が回るけどなんか、中途ハンバ、いかにも化粧しました!!!!って感じだしね。神父さんのお母さんが、少女のベッドにいたりする。あげくの果ては、緑の液体のかけあい、まるで、小学生のマクラ投げ、野球で優勝したチームのビールかけ、状態になるのだわさ。

バカやってる、バカやってる。
ようは、バカやってることによって、タブーの足跡を消していく手法をとってる。

そう言えば、もひとつ。女性差別もやってますねん。
ナイズバディだけど、顔はノーサンキューの幽霊の、顔に紙袋をかぶせて、お持ち帰り。顔はいらないの、いるのは、身体ダケ。主役の女の子は、さんざん、けなされるんだけど、それもね。
「友達だから、言ってはいけないけど、こういう場合だし、ホンマのこと言ってもいいよね」
みたいなの、腹の中では、「枝毛」「肌悪っ」と女性が気にすることを言いまくってるわけなのね。普段は友達ずら、していてもね。(←この緊急事態、そういうシーン、多し)

でもこれは、受け入れられている作品なのだ。私の場合は、不快感なかったし。エロネタの引き際がカラッとしてるから、流されている。これ以上引きずったら、シンドイの瀬戸際かもしれない。

しかしだな、中味はないよ〜、何もない。あるわけないっすか!

■Staff
監督:キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ Keenen Ivory Wayans
製作:エリック・L・ゴールド Eric L. Gold
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン Bob Weinstein
   ハーヴェイ・ワインスタイン Harvey Weinstein
脚本:アリソン・フォウス
   グレッグ・グラビアンスキー
   デイヴ・ポルスキー
   マイケル・アンソニー・スノウデン Michael Anthony Snowden
   クレイグ・ウェイアンズ Craig Wayans
   マーロン・ウェイアンズ Marlon Wayans
   ショーン・ウェイアンズ Shawn Wayans
音楽:ジョージ・S・クリントン George S. Clinton
■Cast
アンナ・ファリス Anna Faris シンディ
ショーン・ウェイアンズ Shawn Wayans レイ
マーロン・ウェイアンズ Marlon Wayans ショーティ
トーリ・スペリング Tori Spelling アレックス
クリス・マスターソン Chris Masterson バディ
キャスリーン・ロバートソン Kathleen Robertson セオ
ジーナ・ホール Regina Hall ブレンダ
ジェームズ・ウッズ James Woods マクフィーリー神父
アンディ・リクター Andy Richter ハリス神父
クリス・エリオット Chris Elliott ハンソン
ナターシャ・リオン Natasha Lyonne ミーガン
ティム・カリー Tim Curry オールドマン教授
デヴィッド・クロス David Cross ドワイト
リチャード・モール Richard Moll 幽霊